地域における中小企業・小規模事業者の経営支援機関である商工会・商工会議所の経営指導員には、個別の企業の事情に寄り添って必要な支援を行う「伴走型支援」が求められています。
石川県加賀市の山中商工会では、国の補助を受けて実施する「伴走型小規模事業者支援推進事業」にあたる経営指導員の研修として「小規模事業者支援能力向上研修」を実施することになり、私が講師を担当させていただきました。
「伴走型支援」の指針として、国は『経営力再構築伴走支援ガイドライン』を提示しています。そこには今注目されている「伴走型支援」についての定義が描かれています。
今回の研修の始めにあたって、まず国が求めている「経営力再構築伴走支援」について簡単にお話ししました。
つづいて、国がガイドラインで示している「経営力再構築伴走支援モデル」についてのお話です。ここでは、「対話と傾聴」を軸に、経営者自身の「気づき」を促し、「自走」できるように寄り添っていくための課題について触れています。
そしていよいよ研修も本題に・・・。経営者自身の「気づき」を促し、経営改革のためのモチベーションを高めていくためのノウハウとして、『経営力再構築伴走支援ガイドライン』が描いている重要部分を学んでいきます。
経営改革を進めていくためには、発生した問題や検討した問題に対して、その原因をまず考えることが大切になります。ここでは、その考え出した原因に対して「なぜ?」と問いかけることで、さらにその原因を深掘り、真の原因を探究していく手法として、「なぜなぜ分析」をご紹介しました。
ガイドラインでは、「ローカルベンチマーク」や「経営デザインシート」などのツールも紹介しています。そうしたツールを活用し、伴走型支援を受けながら小さな成功体験を積み重ねていくことで、自信がついてきます。そしてそうした成功体験が、次のステップに挑戦する意欲につながるのだというのが、今回テキストとして学んだ『ガイドライン』のまとめでした。
今回は国の提示する『経営力再構築伴走支援ガイドライン』の内容について、一つ一つを丁寧に読み解きながら、その意味を理解していくことが研修の主な内容になりました。国の出している資料も、結構いい内容のものがありますね。
この研修は次年度も継続して実施するとのことですので、次回は実際の支援事例を紹介しながら、商工会の会員企業に寄り添って支援を行う経営指導員の皆さんのお役に立てるようなお話をしたいと思います。第一線で日々仕事をしている経営指導員の皆さん、これからも頑張ってくださいね!